会議の議事録作成や、顧客との通話内容の確認のために音声を録音している方は多いのではないでしょうか。以前は録音した音声を再生しながら手動でメモを取るのが当たり前でしたが、最近ではAIが自動で音声をテキスト化してくれるサービスが充実しています。
とはいえ、個人向けの文字起こしツールと、業務で使う通話録音・文字起こしシステムでは、必要な機能がまったく異なります。企業の場合は「録音の一元管理」「改ざん防止」「複数拠点への対応」など、ビジネス固有の要件があります。
この記事では、個人利用から法人利用まで幅広いシーンで使えるツールをご紹介しながら、特にビジネス用途で録音・文字起こしを本格導入したい方におすすめのサービスを解説します。
音声の文字起こしとは?
「文字起こし(テープ起こし)」とは、録音した音声をテキストデータに変換する作業のことです。会議の議事録作成、顧客との通話内容の記録、商談メモの整理など、ビジネスの現場では欠かせない業務のひとつです。
かつては録音データを再生しながら手でタイピングするしかありませんでしたが、現在はAI音声認識技術の進化により、音声ファイルをアップロードするだけで数秒〜数分でテキスト化が完了するサービスが多数登場しています。
個人向け・手軽に使えるツール
MyEdit
サービス概要
CyberLinkが提供するオンライン音声編集サービスです。ブラウザからアクセスするだけで使えるため、アプリのインストールが不要です。MP3ファイルをアップロードすると、AIが自動で文字起こしを行います。日本語を含む複数言語に対応しており、句読点の自動付与も可能です。出力形式はTXTまたはSRT(字幕形式)を選択できます。
個人での音声文字起こしをお手軽に試してみたい方。動画字幕の作成にも活用できます。
Notta
サービス概要
Web・アプリの両方に対応した文字起こしサービスです。104言語に対応しており、リアルタイム文字起こし機能や倍速再生機能も備えています。スマートフォンアプリもあるため、外出先でも利用可能です。
多言語対応が必要な方、外出先でも文字起こしをしたい方。
Googleドキュメント
サービス概要
Googleが提供するドキュメント作成サービスで、音声入力機能を使った文字起こしが可能です。Googleアカウントがあれば完全無料で使えます。ただしChromeブラウザ専用で、句読点が自動認識されないなど機能面での制約もあります。
今すぐ無料で試したい個人ユーザーの方。
Word(Microsoft 365)
サービス概要
Microsoft 365の「ディクテーション」機能を使った文字起こしが可能です。ただし、マイク入力が前提となるため、録音済みの音声データを再生して使う形になります。操作性はやや煩雑です。
すでにMicrosoft 365を導入しており、追加費用をかけずに試したい方。
法人・ビジネス向けに本格導入するなら
個人が手軽に使うツールとは異なり、企業での利用では以下のような点が重要になります。
- 録音データの改ざん防止と証拠としての保全
- 複数拠点・複数端末の録音を一元管理できること
- 固定電話・携帯電話・Web会議などあらゆる通話形式への対応
- コンプライアンス対応(金融業法・保険業法など)
こういったニーズには、以下のサービスが対応しています。
toruno
サービス概要
Zoom・Teams・Google MeetなどのWeb会議に対応したリアルタイム文字起こしサービスです。開始ボタンを押すだけで全員の音声を記録・テキスト化でき、操作が簡単です。無料利用は累計3時間までです。
Web会議の文字起こしをシンプルに始めたい方。
LINE WORKS AiNote
サービス概要
LINE WORKS株式会社が提供するAI議事録作成ツールです。旧CLOVA Noteβの後継サービスとして2025年8月に正式リリースされました。
日本語・英語・中国語・韓国語の音声認識に対応しており、複数の話者が登場する音声でも話者を識別してテキスト化できるのが特長です。Zoom・Teams・Google MeetなどのWeb会議ツールとの連携にも対応しています。複数名が発言する会議の議事録を正確に文字起こししたい方。
YouWire
サービス概要
株式会社ギークフィードが開発・提供する、企業向けのビジネスコミュニケーション支援ツールです。「第15回 ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2021」の「データ活用系 ASP・SaaS部門」で総合グランプリを受賞した実績を持ちます。
YouWireの最大の特長は、以下の4種類の音声を一元管理できる点です。
| サービス | 対応する録音シーン |
|---|---|
| YouWire Office | 固定電話(オフィスのIP電話)の通話録音 |
| YouWire Mobile | 携帯電話・スマートフォンの通話録音 |
| YouWire Meeting | 対面会議・商談のボイスレコーダー録音 |
| YouWire WebMeeting | Zoom・TeamsなどWeb会議の録音 |
すべての録音データはクラウドサーバーに自動でアップロードされ、Webブラウザからいつでも検索・再生・管理が可能です。ICレコーダーをパソコンに接続するだけで自動アップロードにも対応しています。
さらに、録音データのテキスト化(音声認識)にも対応しており、録音終了と同時にテキスト化処理が始まるため、会議直後にすぐ議事録を確認できます。テキストはキーワードで全文検索でき、SFA・CRMとの連携も可能です。
また、Amazon Web Services(AWS)上で動作する「YouWire on AWS」も提供されており、Amazon Bedrock(生成AI)と組み合わせることで、通話データの分析や業務改善への活用も実現できます。
YouWireがとくに適している組織・シーン:
- 金融・保険・証券業など、コンプライアンス対応で通話記録が求められる企業
- 「言った・言わない」のトラブルリスクを防ぎたい営業組織
- 複数拠点・複数端末の録音を一括管理したい管理者
- 優秀な営業担当者のトークをナレッジ化・共有したい企業
法人での通話録音・文字起こしを一元管理したい方。コンプライアンス対応が求められる業種にも最適です。
【比較まとめ】どのツールを選べばいい?
| ツール名 | 主な用途 | 法人向け一元管理 | 通話録音対応 | 文字起こし |
|---|---|---|---|---|
| MyEdit | 個人・音声編集 | ✕ | ✕ | ○ |
| Notta | 個人・会議録音 | △ | ✕ | ○ |
| Googleドキュメント | 個人・無料利用 | ✕ | ✕ | △ |
| Word | 個人・Office連携 | ✕ | ✕ | △ |
| toruno | Web会議録音 | △ | ✕ | ○ |
| LINE WORKS AiNote | 多言語・話者識別 | △ | ✕ | ○ |
| YouWire | 企業向け通話録音 | ◎ | ◎ | ◎ |
まとめ
音声の文字起こしツールは、個人がさっと使いたい場面から、企業がコンプライアンス対応のために本格導入する場面まで、用途によって最適なサービスが異なります。
手軽さを重視するならMyEditやNotta、企業として固定電話・携帯電話・会議録音をまとめて管理したいのであればYouWireが有力な選択肢です。
YouWireは通話録音から文字起こし、データ分析まで一貫して対応できる点が強みで、営業組織やコールセンター、コンプライアンス対応が求められる業種での導入実績も豊富です。
